「カポーティ(CAPOTE)」映画感想
今年3月に行われた、米アカデミー賞授賞式、この演技で主演俳優賞を獲得した、フィリップ・シーモア・ホフマン、同時に作品賞や監督賞にもノミネートされていた、監督ベネット・ミラー。そのころから気なっていて是非見たいと思っていた作品です。なんで日本公開がこんなに遅くなったのかも疑問だ、配給会社には見る目が無いのか?
ティファニーで朝食をの著作等で名誉も財産も築いていた、作家カポーティが次回作に何を書くべきか模索しているとき、ある田舎町での悲惨な殺人事件が発生し、その記事に触発された彼は現地に取材に訪れる。最初はよそ者の伊達男(ファッションにうるさい)の訪問を疎まれていた。あの手この手で捜査官に近づいて、取材を進めていたところへ、犯人逮捕知らせが入る、自分の名声を臆面も無く利用して、借りの留置所に収監されている犯人との面会を果たし、今後も面会する許可をとりつける。
もともと自分は正直な人間で嘘はつかない、と公言していた彼が、次回作の執筆の為、犯人の心を開かせる為に、自らも変貌していく。
死刑判決が下った後も、優秀な弁護士を雇って控訴を勝ち取り、さらなる取材をを敢行し、核心に迫っていく、そして取材が終了したとき、作品の完結にはある事柄が必要だと思い知らされる。その後彼の精神は崩壊していくのだった。
自分と似たような生い立ちの犯人と心を通わせながらも、作品の完成という野心のために彼を裏切ってしまった彼の葛藤と苦悩、名声と誠実さ、そのご作家は次の作品を書くことなく、酒におぼれてしまう。
孤独で誰にも理解されないまま罪を犯してしまった男は、最後には彼に心からの感謝の言葉を述べる、精神的にはカポーティよりも救われていたのではないかと思わせる。
自分はティファニー~も冷血も読まずに鑑賞しましたが、何の問題も無く物語の世界に入り込めました、それは、いかにも成功した著名な作家、と言う役柄を俳優が完璧にこなしているからなのかもしれないし、監督の演出のなせる業かもしれない。
冷血を読まないでも充分鑑賞を楽しめる、といより、結果を知らない方がいいのじゃないかと思います、ただし見た後に読みたくなることは請け合いです。
映画公式サイト↓
http://www.sonypictures.jp/movies/capote/
関連本
冷血の感想記事の感想記事
カポーティ コレクターズ・エディション
DVD発売中
| 固定リンク
トラックバック
この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/124571/12372054
この記事へのトラックバック一覧です: 「カポーティ(CAPOTE)」映画感想:
» カポーティ [映画とはずがたり]
本年度、米アカデミー賞主要5部門ノミネート作品!
『ティファニーで朝食を』などで知られる作家
トルーマン・カポーティが、
ノンフィクション小説の名作『冷血』を書き上げるまでの
6年間を描いたシリアスな伝記映画。
STORY:農村で農場主と
その家族4人が惨殺...... [続きを読む]
受信: 2006年11月 5日 (日) 01時23分
» 名作が生まれるまでの苦悩【カポーティ】 [犬も歩けばBohにあたる!]
「ティファニーで朝食を」などの名作を生み出したトルーマン・カポーティが 作家生 [続きを読む]
受信: 2006年11月16日 (木) 14時08分
» カポーティ [レンタルだけど映画好き ]
何よりも君の死を恐れ、
誰よりも君の死を望む。
2005年 アメリカ
カポーティ コレクターズ・エディション
監督 ベネット・ミラー
出演 フィリップ・シーモア・ホフマン/キャサリン・キーナー/クリフトン・コリンズ・Jr/クリス・クーパー/ブルース・グリーンウッド/ボブ・バラバン/エイミー・ライアン/マーク・ペルグリノ/アリー・ミケルソン
原作 ジェラルド・クラーク
あらすじ
1959年11月15日。カンザス州ホルカムでクラッター家の家族4人が、惨殺死体で発見される。記事... [続きを読む]
受信: 2007年4月 8日 (日) 15時15分
» カポーティ(ネタバレあり) [エミの気紛れ日記]
「この作品を絶対に見逃すわけには行かない!!」
と思ってたので、時間をやりくりして今日観に行って来ました。
感想の前に言わせてください。
「デートで観に来る映画じゃないよー!」
私の前の席に座ったカップル上映30分でオトコ爆睡。
上映終了後カノジョ
....... [続きを読む]
受信: 2007年6月 9日 (土) 17時59分
» カポーティ [○o。1日いっぽん映画三昧。o ○]
ずっと見たかった「カポーティ」です。 作家トルーマン・カポーティが描いた最高傑作「冷血」の真相。 カポーティが「ティフ [続きを読む]
受信: 2007年6月20日 (水) 10時31分
» カポーティ [Aのムビりまっ!!!(映画って最高☆)]
ラスト20分は本当に衝撃的だった!途中面白みがないけど、ラストシーンを観ると、見た甲斐があったと頷ける作品。
評価:★6点(満点10点) 2005年 114min
監...... [続きを読む]
受信: 2007年8月12日 (日) 00時48分
» カポーティ [★YUKAの気ままな有閑日記★]
WOWOWで鑑賞―【story】農家の一家4人が惨殺された事件に目をつけたカポーティ(フィリップ・シーモア・ホフマン)は、この事件を題材に雑誌の記事を書くことを思いつく。ザ・ニューヨーカーの編集者ウィリアム・ショーン(ボブ・バラバン)に話を持ちかけたカポーティは、事件のあったカンザス州に向かう事を決意する―文学界に名を残すトルーマン・カポーティが、ノンフィクション小説の名作『冷血』を書きあげた6年間に迫る伝記映画― 〜第78回アカデミー賞主演男優賞受賞作品〜 監督 : ベネット・ミラー... [続きを読む]
受信: 2007年12月25日 (火) 13時35分








































コメント
早速のレビューありがとうございます。「カポーティ」、私もアカデミー賞の時から気になってましたが、面白そうですね。
そうですか、「冷血」読まなくても大丈夫ですか。読まないで見に行こうかな。
フィリップ・シーモア・ホフマン、M:i:Ⅲにも出てましたが、演技がどうのという作品でもないので(^^;)、彼の演技をちゃんと見るという意味でも「カポーティ」は楽しみです。
投稿: 青猫 | 2006年10月23日 (月) 21時11分
まいど、アカデミー関係でちょっとは見ていたフィリップ・シーモア・ホフマンのカポーティ演技でしたが、最初から最後まで素晴らしかったです、冷血というのは作家か犯人か、という問いかけも、考えさせられます。
投稿: くま | 2006年10月23日 (月) 23時07分
こんにちは!
いつもお邪魔させていただいてますが、コメントは初めてだと思います。
こちらのレビューをTBしてくださって、ありがとうございました。
こちらからもTB送信したのですが、なぜか弾かれてしまったので、コメントだけでも残していきますね!
シーモア・ホフマンのカポーティに成りきっての演技は必見であったと思います。
仰るように、私も今作を鑑賞して「冷血」も観たくなりました!
投稿: なぎさ | 2007年3月22日 (木) 08時26分
なぎささん、はじめまして
コメントありがとうございます
ホフマンの演技は素晴らしかったです、カポーティの変なしゃべり方もそうですが、少しづつ壊れていく様子が上手く表現されていて、引き込まれました。
冷血は小説だけ読みました、かなり重かったので映画は踏ん切りがつかないでいます。
投稿: くま | 2007年3月22日 (木) 23時53分
TBありがとうございました!
私からのTBは反映されないようです・・・。
私は、「ティファニーで朝食を」「冷血」も未見です。
ティファニー~は見たいと思いましたが、冷血は多分見ないでしょう・・・。
ホフマンの演技はすごい!と思いました。
投稿: 小米花 | 2007年4月 7日 (土) 16時20分
小米花さん、こんばんは
何故かTB受け付けないようでごめんなさい、ココログの問題かと思います。
自分も映画の「ティファニーで朝食を」「冷血」は未見ですが、小説の「冷血」だけは読まずにはいられませんでした。
ホフマンさん、抑えた演技も妙な喋り方も見事でした。
今年は又色々公開される映画に出演しているようなので楽しみにしています。
投稿: くま | 2007年4月 8日 (日) 00時38分
はじめまして。
くまさん TBありがとうございました。
面白かったですね!引き込まれました。
役者さんたちの力量をひしひしと感じる映画でした。演出もいいですよね~。
これからもよろしくお願いします。
投稿: betty | 2007年5月 3日 (木) 01時06分
bettyさん、こんばんはコメント、ありがとうございます。
以前一度コメント頂いたと思います、2度目でしょうか?
ホフマンさんの演技にカポーティの心の変化が伝わってきて、一緒になって苦悩して葛藤して落ち込んでしまいました。凄い映画でした。
また遠慮なくお越しください。同じテーマに記事を見つけたらTBさせて頂きますのでよろしく。
投稿: くまんちゅう | 2007年5月 3日 (木) 01時50分
TBのお返しが遅くなってごめんなさい!
今頃失礼いたします。
>孤独で誰にも理解されないまま罪を犯してしまった男は、最後には彼に心からの感謝の言葉を述べる、精神的にはカポーティよりも救われていたのではないかと思わせる。
ああ、ほんとうにそうかもしれませんね。
そうだとしたら、なんと皮肉なことなんでしょうか。
人間の存在の弱さを感じます。
投稿: jester | 2007年6月11日 (月) 22時29分
jesterさん、こんばんは、コメントどうもです。
いえいえ何時でもOKです、自分で出したの忘れてたりしますから。
犯人の青年も犯行前に自分を理解してくれる人に出会っていたら、罪を犯さなくて済んだのかも知れないけど、罪を犯したことで出会うことが出来た、正に皮肉ですね。
投稿: くまんちゅう | 2007年6月11日 (月) 23時45分
カポーティ役のホフマン氏の演技が話題になりましたが、私は犯人役の人が「冷血」を本で読んだイメージにとてもぴったりで、よくこんな人を見つけてきたな~と驚きました。
私が暮らしているシンガポールでは、新たなカポーティの映画infamous がつい最近公開されていて、気になっていたのにどうやら見逃してしまったみたいです。
残念!
投稿: 有閑マダム | 2007年6月14日 (木) 09時08分
有閑マダムさん、こんばんは、コメントどうもです。
確かに頭痛持ちで神経質そうな犯人役はピッタリでした。冷血は後から読んだので、映画の登場人物をイメージして見てました。
もう一つのカポーティ映画の噂は聞いていましたが、感想聞きたかったです、多分日本では公開しないでしょうねぇ、、、
投稿: くまんちゅう | 2007年6月14日 (木) 19時48分