金庸 著「侠客行」感想
この作品も武侠小説入門には丁度良いじゃないかと思います。
金庸氏には珍しい(碧血剣と同じく)文庫3冊分で完結です、でも中身は結構濃いです、内攻修行から毒手、殴りこみに冒険恋愛と、なんでもアリです。
連城訣が武侠版岩窟王と言うならば、こちらは武侠版鉄化面と言ったとこでしょうか?
内容紹介「武林の奇人・謝煙客に、どんな願いも叶えてもらえるという証「玄鉄令」。誘拐された息子を捜す石清夫妻を始め、様々な思惑を抱いた侠客たちが、この有り難い鉄片をめぐって争奪戦を繰り広げていた。ところがそれは、思わぬことで名無しの孤児「狗雑種」の手に落ちる。謝煙客は何も望みごとをしない天衣無縫の少年を持て余し、難問を突きつけられる前に自滅させようとするが…。武侠冒険ロマンの傑作。 」アマゾンより
金庸氏の著作の主人公にしては珍しく、自分で強くなろうとか言う意思ではなく、成り行きで力がついてしまった、少しアメコミ的偶然な感じです。もっともいきなりパワーを得たわけではなく死ぬほどの苦しみを経てから超人的パワーを備えることになっちゃいます、しかし本人には全くその自覚がなく、江湖のしきたりも疎いので誤解され騙され利用され放題。
それでも本来の素直な性格と欲の少なさで、味方を増やしていくわけです。
行ったら最後誰も戻ってこられないと言う「侠客島」の使いとその目的、江湖の群雄が誰もかなわないと言う善賞悪罰の2人の使い手とどう渡り合うのか、非常に面白く読ませてもらいました。
最後には「侠客島」の謎も解き明かされ、その結末に驚きながらも快哉を叫ばずにはいられません。
金庸氏の作品は最初誰が主人公かわからなかったり、なかなか登場しなかったり、話の舞台があちらへ飛びこちらへ戻りとめまぐるしくて、付いていけない、という人もいるようですが、この作品は主人公はほぼ最初から野良狗くん(ただし本名は定かでない)で、最後まで彼中心に進んでいきます。碧血剣と共に武侠入門編としてお薦めします。
★★★★+
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