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2008年10月24日 (金)

「オオカミの護符」映画感想

Ookami 公開されてからずっと気になっていたドキュメンタリー作品「オオカミの護符~里びと と 山びとのあわいに~」を見てきました。
東中野で上映中でしたが朝10:40~の1回だけで、中々時間が間に合わず、文化庁の文化記録映画部門で優秀賞を受賞した作品、という事でTIFFの一環としてル・シネマでの上映でしかも入場無料だったですが、これも間に合わず・・・
しんゆり映画祭 でも上映してたらしいですが、ちょっと遠い・・
色々とネットで探した所、映画保存協会 というNPO主催の「 D坂シネマ ~日本の民族・暮らしを探る映画祭~」とやらで上映有りと知って行って来ました。ここは16ミリの映写機を使用した昔ながらのフィルム上映で、普通の家の部屋を使った上映空間でした。

座席は普通のイスや、座布団等を使って4~50人ほどのキャパでしたが、最後は満員でした。アットホームな雰囲気は僕らのミライへ逆回転のラストシーンを思わせる感じでした。

映画の内容も文化庁の賞を受賞した、という事も有り、非情に興味深いものでした。
(今後の上映情報)

ストーリー「川崎市宮前区土橋に伝わる神事、土橋御嶽講(つちはしみたけこう)では、お狗さま と呼ばれる獣が描かれた護符が配られる。このヤマイヌやニホンオオカミなどが描かれた護符が発行されているのは、関東一円の山々の神社。そこでこの護符に まつわる信仰文化を探りに、山に住む農民たちに会いにいくと……」

民家の土蔵に貼られた不思議な護符から物語りは始まります、武蔵国(むさしのくに)御岳山(みたけさん)大口真神(おおくちまかみ)と書かれた文字の下にオオカミの絵が描かれています。
この札は毎年張り替えられ、毎年地元の人達が集まって代表で参拝する御嶽講(みたけこう)という集まりが開催されているそうです。武蔵国御岳山というのは青梅の先にある御岳山の、その山頂にある御岳神社の事で、崇神天皇の時代に創建されたそうで、日本武尊(やまとたけるのみこと)東征にゆかりのある由緒ある神社です。

この場所は昔ハイキングで訪れた事もあり、登山入門者向けの初歩的なコースとしてよく知られています。

そこでの講の様子、神事や神官を兼ねた宿坊の主の生活等を紹介します。
その後、護符の起源や由来を求めて調べが進められ、関東周辺の山岳部に同様の札を扱う神社が多数有る事を突き止め、その中のいくつかの講や神事を紹介してくれます。

興味深かったのは昔から続く、鹿の肩甲骨を焼いて、そのひびの入り方で占うという神事です。これは古代中国の文献にも出てくる卜占がルーツと思われます。宮城谷昌光氏の小説にも度々登場します。実際の骨を焼く場面は神社の秘術と言うことで撮影されていませんでしたが、その判定方法や実際の判定場面が見られ非情に興味深いと共に、和気藹々と進められるのが意外で楽しそうでした。

里の人が神棚の裏の大事に祭ってあると言う狼の骨が、判定の結果本物の日本狼の物であったという事も付け加えてあります。

その他にもお札ではなく箱を配る神社も有り、「お箱様」と呼ばれているというのは魍魎の匣を思い出せましたし、秩父に伝わる祭りの「鬨の声」、山を崇拝する人々など、古くから伝わる文化を、楽しく判り易く紹介してくれた、優れたドキュメンタリー作品でした。

最後に何故オオカミを描いた護符が配られるようになったかも、解き明かされていましたが、コレは是非作品を見て確認していただきたいと思います。

講や神事に参加している人達の、和やかな表情が実に印象的でした。現代社会が失ってしまった大事な物が残っているという意味でも、記録的価値という意味でも高く評価できると思います。
是非多くの人に見てもらいたい、お薦め作品です。

★★★★★

上映後に監督の挨拶や質疑応答がありました、(普通の劇場なら舞台挨拶ということでしょうが、普通の部屋でほぼ目の前でした)同じような護符は熊野や伊那谷周辺でも見られ、(木曾の御岳山はこの辺で、この地域にも日本武尊にちなんだ地名山名が多いのは後で思い出しました)山岳修験者との関わりがあるかもしれないというお話でした。
Getattachmentaspx由井英監督(左)と小倉美恵子 プロデューサ(右)ささらプロダクション
掲載許可確認済

(今後の上映情報)

既にDVDも発売されているそうですが、アマゾンでは扱いなし、レンタルも無いでしょうか?購入はこちら で出来ます。
Ookamidvd

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