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2008年11月 2日 (日)

「帝国オーケストラ(Das Reichsorchester)」映画感想

Teikokuベルリン・フィル創立125周年を記念して作られた映画で、ヒトラー政権化のベルリン・フィルハーモニー管弦楽団を描いたドキュメンタリーです。
とは言っても映像はプロパガンダ様の素材でしかないので、現在も生存している楽団員や遺族などから証言、メモ、フィルム等を集めて繋ぎ合わせた作品です。

監督は『ベルリン・フィルと子どもたち』のエンリケ・サンチェス・ランチ。(英題 THE “REICHSORCHESTER” THE BERLIN PHILHARMONIC AND THE THIRD REICH)

公式サイト:http://www.cetera.co.jp/library/Reichsorche

ストーリー「“ナチスのオーケストラ”と呼ばれたベルリン・フィルハーモニー管弦楽団。ヒト ラー政権時に一時国営化され、プロパガンダに利用されることになる。退団したユダヤ人メンバーのことや、ナチスの党員だった数人のメンバーのこと。そして 外国への慰問演奏会などについて、当時の楽団員が貴重な証言をする。」

当時世界最高峰のオーケストラでありながら、ゲッベルス宣伝大臣によって、ヒトラー政権のプロパガンダに利用され、ナチのオーケストラの汚名を着せられたベルリン・フィル。
今も健在な当時の楽団員は「ナチの為に働いたわけではない」と力説します。
当時財政難に苦しんだ楽団は音楽を続けたい、という情熱の為にナチ政権(ヒトラーはまだ首相で完全な独裁体制ではなかった)で宣伝省の管理下におかれます。

その後ナチの権力増大に伴って、ユダヤ人の団員(優秀な演奏者が4人いたそうです)は退団を余儀なくされ、芸術監督の名指揮者、フルトヴェングラーも辞任しますが、彼抜きでは音楽性が損なわれると訴える楽団員の請願の為にやむなく指揮えを続けることを決意します。

今まで通り、純粋に音楽を演奏している意識の団員ですが、映像や演奏旅行は否応無くナチの宣伝、ドイツの文化レベルの高さを示す材料として利用されてしまいます。

毎年ヒトラーの誕生日を祝う演奏会を開かされ、ゲッベルス主催で、彼の演説後に演奏される第9交響曲、その美しさがどこか哀しげです。
演奏後に握手するゲッベルスとフルトヴェングラーの映像は驚きでした。

ベルリンのフィルハーモニーホールからメンデルゾーンの肖像画が外され、チャイコフスキーの曲目がプログラムから消えたベルリンフィル、楽団は唖然としたと語っています。

それでもフルトヴェングラーが指揮するベルリンフィルの映像は鳥肌物でした。
当時、いや今に至っても音楽史上世界最高のユニットと呼ばれるこの演奏を映像で見られたのは感激でした。

ドイツ軍の敗色が濃くなり、爆撃の激しくなったベルリン市街、それでも演奏会を止めなかったのは意地と誇りの賜物だったのでしょうか?

団員の中には党員は十数人いたそうですが、本当の活動的な人は5人ほどで後は勧められて断れず党費を払って登録しただけだと言っています、それは当時の情勢から言えばいたし方ない保身と言われても責める事は出来ないと思います。

また楽団員は兵役を免除されていたそうですが、終戦間際には若者が市街にいることで白い目で見られて辛かったと語っています。

戦後は暫く活動を停止、ナチ党員は裁判にかけられたり、フルトヴェングラーも連合国の調査に駆り出されたそうです。
その後許されて再び演奏活動を開始しますが、NY公演で反対デモに遭遇したりしながら彼らの音楽を貫き通す姿勢は賞賛に値します。

多くの困難を乗り越えて、今尚最高のオーケストラとして活動を続けるベルリンフィルの魂に感謝の念を送りたいと思います。

2週間後には原題のベルリンフィルをテーマにした「ベルリン・フィル 最高のハーモニーを求めて」(http://www.cetera.co.jp/BPO/)も上映されますので勿論そちらも見に行きます、前売り券購入済。

ちなみに今回ナチ党員だったと言われて非難されたカラヤンは出てきません、名前が一度出てくるくらいです、彼と楽団の関係も興味有りましたのでちょっと残念です。

★★★★+

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コメント

すごいドキュメンタリーを見た!

あのベルリン フィルも儲からない時代があり、ヒットらーやゲッペルスに翻弄されたなんて! 戦争は駄目だよ オバマさん 
久しぶりにベルリンのコンサートを今月見るためベルリン フィルを深く聴けるきっかけになりました。

投稿: ベルリンの子 | 2008年11月 6日 (木) 11時29分

ベルリンの子さん、コメントどうもです

色々と凄い内容のドキュメンタリーでしたね
財政難でゲッベルスに利用されてたなんて
でもおかげで最高のオーケストラが存続できたのか
複雑な思いで見てました。
生演奏聴けるんですね、羨ましいです

投稿: くまんちゅう | 2008年11月 6日 (木) 18時22分

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監督: エンリケ・サンチェス・ランチ キャスト ハンス・バスティアン エーリヒ・ハルトマン ディートリヒ・ゲルハルト ヘルムート・シュテルン アンドレアス・レーン マリーレ・ヘーファー・スツェーペス ハンス・ヨアヒム・ホルノフ ウルズラ・キュルマー 他 【ストーリー】 “ナチスのオーケストラ”と呼ばれたベルリン・フィルハーモニー管弦楽団。ヒトラー政権時に一時国営化され、プロパガンダに利用されることになる。退団したユダヤ人メンバーのことや、ナチスの...... [続きを読む]

受信: 2008年11月 4日 (火) 21時11分

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