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2009年4月29日 (水)

「重力ピエロ」映画感想

Jyuryoku 伊坂幸太郎氏の原作「重力ピエロ」を実写映画化した作品です。
原作を読んで面白かったので、楽しみにしながらも、上手く作ってくれるか不安も有りました。
伊坂作品の映画化は結構当たり外れがありまして、過去の経験から行くとアヒルと鴨のコインロッカーは当り、陽気なギャングが地球を回すは外れ、Sweet Rain 死神の精度は中間位でした。

今回は、運良くシネマLIVE!さんのブロガー試写会に誘っていただいて見てまいりました。

監督は森淳一さん、この人の作品は見たこと有りません。

キャストは、加瀬亮、岡田将生、小日向文世、吉高由里子、岡田義徳、渡部篤郎、鈴木京香(敬称略)いずれも原作のイメージに近くて期待できます。

公式サイト:http://jyuryoku-p.com

ストーリーシネマLIVE!より)「連続して起こる放火事件と、現場近くに必ず残される奇妙な落書き。その謎は、幸せそうに暮らす奥野一家の24年前の哀しい過去へと繋がっていく…。遺伝子 研究をする兄・泉水(加瀬亮)、落書き消しをする弟・春(岡田将生)、そして病いと闘う父(小日向文世)――強い絆で結ばれた家族の決断とは? 常識を超 えた大きな愛に心で泣く、感動ミステリー。伊坂幸太郎の大ベストセラー同名小説が原作にした、家族の愛と謎の物語。アスミック・エースとROBOTによ る、初の共同企画&製作作品。」

  

先ほど「伊坂作品の映画化は結構当たり外れがある」、と書きましたが
さて今作はどうだったんでしょうか、と問われれば、ズバリ ”当り” です。

キャラクターの全てが原作のイメージに合っています、渡部篤郎の役柄はちょっと違うかなとも思いましたが、演技のおかげで充分納得できました。

作品=原作のテーマは色々ありますが、冒頭で主人公が受けている講義での「遺伝と環境」これは遺伝子を研究する学生という立場と共に後々効いてきます。
前半はイタズラ書きと、放火事件の謎解きです、その謎めいたメッセージを元にパズルを解く楽しみを与えてくれます。
犯人はなぜ放火をするのか?はこれも後に現されますが、次のテーマ、罪と罰、過ちと許しについて繋がっていきます。
原作で出てきた薀蓄についてはガンジーがメインで、他の細かい薀蓄は省かれちゃったようで、そこは少し残念。もちろん作品には影響なし。
ガンと戦う父親と既に亡くなっている母親のエピソードは兄弟の回想という形で表されていますが、これが見事に再現されて、子役も達者で引き込まれました、現在の兄弟のおかれた状況から思いを馳せるので実に切なく、家族の絆、「俺達は最強の家族だ」、という台詞も心に響いてきます。
過去の両親の決断と、その後の出来事が、家族の強い意思を感じさせます。
小日向文世演じる父は見た目は頼り無さそうですが、逆境に動じない芯の強さを淡々と、しかし決然と演じています。
同じように気弱そうな兄・泉水を加瀬亮がこれも見事に演じています。
それでもボクはやってないの時のキャラクターに重なる物も感じました。
ストーカーに追われるほどのいわゆるイケメンの弟・春を演じる岡田将生も台詞回しといい、性格といい完璧に原作キャラを表現していました。
そして結構重要な役割を果たすストーカー”夏子”さん(仮名)もいかにも危なそうなキャラとして存在感ありでした。

物語の最後に明かされる放火犯とラクガキ犯、彼らを苦しめ続けた存在の心情に対する兄弟の決断は、最後のテーマ、ガンジーの非暴力主義は本当に世界に平和をもたらすことが出来るのか、に絡んできます。
そしてクライマックスはサスペンス仕立てで、ハラハラさせ、エンディングへと向かいます。
ここではエンディングは語らないでおきますが、是非劇場で確認していただき、その賛否を自ら問うて頂きたいと思います。
ただし、その問いに答えは無い、それぞれが感じた想いが答だとい言っておきたいと思います。

結論は、一部改変は有った物の、原作のテーマ、楽しさ、哲学をきっちり表現した、質の高い映画作品になっていたと思いました。
フェルマーボブ・ディランは残念ながら出てきませんでしたけどね)

評価は★★★★+

原作を読んだ人は勿論、読んでない人、伊坂ファンでもない人、全てにお薦めしたいと思います。


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コメント

私も早々と試写で鑑賞できたのですが、素晴らしい映画でした。とにかく原作の空気感を大事にしているということに尽きます。
登場人物も雰囲気がぴったりでした。
岡田くんはすごいですね。今年は彼の年。

投稿: rose_chocolat | 2009年4月29日 (水) 21時18分

rose_chocolatさん、コメントどうもです

原作に敬意を払って作っていましたね
こういう映画は好感です。
改変部分も有りましたが文句なしです
登場人物の心情も上手く表現されていたし、イメージもピッタリでした
岡田くんはキャラも演技も良かったですね、光ってました

投稿: くまんちゅう | 2009年4月30日 (木) 00時58分

こんにちは。

私は原作未読で観ました。伊坂さんの作品はキャスティングがどれも上手いです。今回はそれにプラスして脚本も好みでした。
家族ドラマの要素とミステリーの要素、うまく融合していたなと思います。

ほんと岡田君今年は飛躍の歳ですねぇ。

投稿: KLY | 2009年5月14日 (木) 00時30分

KLYさん、コメントどうもです

自分は原作読みましたけど、キャスティングは上手いと思いました。
脚本も納得できる物でした
家族の絆とか性格の表現も上手かったですね、ミステリ部分も手を抜かず、サスペンス風な緊張感も良かったです
岡田君人気ですね~
頑張ってるから当然でしょうか?

投稿: くまんちゅう | 2009年5月15日 (金) 00時42分

こんにちは。
今回は ”当り”でしたね~!
原作者がいい映画だと言ったというのも納得です。
最強の親子と強烈な悪に圧倒されながら観ていました。
劇場公開が始まったら、もう一度観て来たいです☆

投稿: non_0101 | 2009年5月17日 (日) 10時18分

non_0101さん、コメントどうもです

当りでした~happy01
原作者が褒めてましたか、納得ですね
最強家族は心情もたっぷり描いていて素晴らしかったです
強烈な悪も配役は以外でしたが、圧倒されました

投稿: くまんちゅう | 2009年5月17日 (日) 20時31分

こんにちは。 
社会の秩序、そして「遺伝と環境」など色々と考えさせられる思いテーマでしたが、
奥野家の絆が感慨深かったです。

投稿: michi | 2009年5月21日 (木) 12時34分

michiさん、コメントどうもです

「遺伝と環境」は根底にあるテーマでした、冒頭にそれとなく持ってくるのは上手かったです。
最大のテーマは「家族の絆」ですね
最強の家族も納得です。

投稿: くまんちゅう | 2009年5月21日 (木) 20時12分

原作は見ていませんが、固い絆で結ばれた家族の話だと思いました。

投稿: まりっぺ | 2009年5月23日 (土) 11時44分

本当に優しい雰囲気の映画でしたね。
こういう作品は結構好きです。

でもこの映画で一番よかったのはやはり小日向さんですね。
彼は最強の脇役ですよ。

投稿: にゃむばなな | 2009年5月23日 (土) 14時16分

うんうん、これは当たり!でしたね~。
2009年は伊坂さんと岡田くんの年でしょうかね!
キャストがみんなハマってたし、良かったですね。
24年前の事件のあたりから、涙腺が決壊してしまいまして、
殆どぐずぐずの状態で観ていたのですが、
最強の家族は最高!でしたね。

投稿: miyu | 2009年5月23日 (土) 17時10分

まりっぺ さん、コメントどうもです

>固い絆で結ばれた家族の話
ですね~、兄弟もそうだけどお父さんが素晴らしいです
一見頼り無さそうだけど、芯の強さを感じました。

投稿: くまんちゅう | 2009年5月23日 (土) 17時15分

にゃむばななさん、コメントどうもです

井坂さんの作品は、不思議な優しさが漂ってますね
なんともいえない心地よさが有ります
小日向さんのお父さん良かったです
彼なくして最強の家族は出来なかったですね

投稿: くまんちゅう | 2009年5月23日 (土) 17時18分

miyu さん、コメントどうもです

伊坂作品の映画化率は凄いことになってますね、
岡田くんも飛躍の年ですね
原作読んでたので泣きはしなかったですが
じんじん響いてきました
最強、最高でしたhappy01

投稿: くまんちゅう | 2009年5月23日 (土) 17時20分

こんにちは~♪
一番最初に読んだ伊坂作品でしたし、凄く好きなお話なので、映画はどうかなぁ~と少し不安もありましたが、、、いい映画になっていましたね~
もう冒頭からじんじんしちゃって、、、何度も何度も泣けてしまいました。
とにかくキャストが凄く良かった!!皆さんハマリ役でしたね~
原作とはイメージが違う葛城の渡部さんも演技のおかげで見事にいやらしさが出ていたと思います。

投稿: 由香 | 2009年5月24日 (日) 13時56分

由香さん、コメントどうもです

おいらも最初に読んだ伊坂作品です
たしか由香さんが薦めてくれたからですね
好きな作品だけに不安もありましたけど
見事に作ってくれて嬉しいです
キャストはイメージ通りで演技も良かったですね
>葛城の渡部さん
いやらしかったですね、憎めましたsmile

投稿: くまんちゅう | 2009年5月24日 (日) 16時21分

コメント、有難うございました!

主演の二人もよかったですが、
この二人の親の、姿にとても惹かれました。
弱音を吐かないでがんばる母親も、
その妻を黙ってサポートする父もscissors

投稿: kira | 2009年5月25日 (月) 18時34分

kiraさん、コメントどうもです

主演も両親も良かったですね
イメージ合ってました。
気丈な母親振りもお見事でしたし
優しくて強いお父さん素晴らしかったです
「自分で考えろ」とか上手かったですね

投稿: くまんちゅう | 2009年5月25日 (月) 21時22分

くまんちゅうさん、こんにちは。
ミステリーで、サスペンスで、社会派で、ヒューマン・ファミリーで様々な要素がぎっしり詰まったお話でしたね。

伊坂作品は、ほんとどれもこんなテイストで正直疲れるところもありますが、(善悪は考えないとして)じーんとしてしまう物語でした。

投稿: たいむ | 2009年5月28日 (木) 18時38分

たいむさん、コメントどうもです

色々詰まってましたね~
原作の科学とか生物学とか数学の薀蓄も好きでした。
伊坂作品は単純な善悪論でもなく、いま流行の許しの話でもなく
考えさせられるってのも魅力の一つですね

投稿: くまんちゅう | 2009年5月28日 (木) 22時33分

金曜日の夜に一人で(涙)、映画でも見ようかなと思い、インターネットで検索してたら、こちらのホームページにたどり着きました(^O^)

感想を読んで面白そう!見たい!と思いました!

今から行ってきますね。
有り難うございました!

投稿: ヒカル | 2009年5月29日 (金) 19時52分

ヒカルさん、コメントどうもです

感想読んで参考にしていただけたなんて
ブロガー冥利につきますです
映画も楽しんでいただけたら嬉しいですが
ちょっと重い話なのが心配です

投稿: くまんちゅう | 2009年5月29日 (金) 22時20分

見てきました〜。

一人で映画みるのも、レイトショーも初めてだったんで、少し興奮気味に映画館に入って行ったのですが、帰りは少しシンミリして出てきました。(苦笑)

でも哲学的で考えさせられる良い作品でした。

内容のわりには、後味は悪くなったのが不思議でした。

ちょくちょく、ブログ拝見しにきますね〜。

追伸

レイトショー安いし、人少ないし、結構良いかも。新たな発見です。

投稿: ヒカル | 2009年5月29日 (金) 23時55分

ヒカルさん、コメントどうもです

しんみりしちゃいましたか?
哲学的な部分もありましたね
>後味は悪くなったのが
そうなんですよね、なんででしょうか

また宜しくお願いしたします

最近はレイトショーか割引の日しか見てません!

投稿: くまんちゅう | 2009年5月30日 (土) 18時32分

くまんちゅうさん、
5月の映画でオススメ教えて下さってありがとう〜!

こうして交流があることで観るきっかけが出来るとは嬉しいです。

それでもボクはやってないも好きなんですけど、こちらも好みでした〜
個人的には鈴木京香はどうなの?ってちょっと思ったんだけど
皆原作通りなんですね!

観て良かった1本でしたwink

投稿: mig | 2009年6月10日 (水) 23時10分

migさん、コメントどうもです

あんまり邦画見ないのでスルーなのかな?
と思ってましたけど、見られたようで、
しかも高評価で安心しましたですhappy01
原作も好きだったので上手く映画化してあって嬉しかったです
最近は邦画も頑張ってるので
見るようにしています

投稿: くまんちゅう | 2009年6月11日 (木) 22時45分

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受信: 2009年5月28日 (木) 18時23分

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レイトショーのはしごの2本目。 あたりかはずれか、不安を感じながらも、「ホノカアボーイ 」でちょっと気になった岡田将生さんが出ているし。 加瀬亮さんと小日向文世さんといえば、「それでもボクはやってない 」の、因縁の(?)コンビ。 終わるのが2時過ぎで、眠気との戦... [続きを読む]

受信: 2009年5月31日 (日) 10時40分

» 重力ピエロ [★ Shaberiba ★]
連続放火事件&落書きに隠された真実とは? [続きを読む]

受信: 2009年6月 1日 (月) 20時46分

» 重力ピエロ~家族という重力、愛というピエロ [シネマでキッチュ]
今日観てきたばかりのホヤホヤです。 「重力ピエロ」 素晴らしく想像力をかきたてる題ですねえ。 原作小説は未読です。 その想像力をもはるかにしのぐドラマの世界にただただひきこまれてしまいました。 家族についての重い映画です にもかかわらずファンタジーにも似た不思議な酩酊感に包まれます。 どこか幻想的で儚い美しさに縁取られた映画です。 音楽もまた素晴らしかった~。 全編通して映画音楽がとても充実してま... [続きを読む]

受信: 2009年6月10日 (水) 21時02分

» 映画『重力ピエロ』 [いんどあかめさん日記]
2009年、映画館で観る31作目はこちら。原作も読んでいたし好きな俳優さんも出て [続きを読む]

受信: 2009年6月16日 (火) 07時27分

» 「重力ピエロ」 自分で考えろ [はらやんの映画徒然草]
遺伝か、環境か? 劇中でも語られていたように、ある人の人間性を形成するのは、遺伝 [続きを読む]

受信: 2009年6月17日 (水) 07時04分

» 重力ピエロ [ダイターンクラッシュ!!]
6月26日(金) 19:00~ シネカノン有楽町1丁目 料金:1200円(シネカノン会員料金) パンフレット:600円(買っていない) 『重力ピエロ』公式サイト 多くの作品が映画化されている伊坂幸太郎原作。 伊坂幸太郎原作映画は、けっこう観ているのだが、なんと小説は読んだことが無い。従って、これも読んでいない。 予告編や役者などから、割とライトな映画でないかと、勝手に想像していたのだ。冒頭のほうのミルクおでんなんてコメディ以外の何物でもない。ストーカー夏子さんも。 しかし実際のところ、真逆で、... [続きを読む]

受信: 2009年6月27日 (土) 03時52分

» 純喫茶ピエロ [Akira's VOICE]
「重力ピエロ」 「純喫茶磯辺」  [続きを読む]

受信: 2009年11月 9日 (月) 11時37分

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