先の「父親たちの星条旗」に触発されて、第2次大戦物映画などを少し取り上げて見たいと思います
第2次世界大戦、ヨーロッパ戦線のターニングポイントとなった、スターリングラード(以後SG)攻防戦を描いた2つの映画について語ります。
今回のイーストウッド硫黄島は、同じ監督が日米双方の視点から描いていますが、SG映画は製作国も監督も違います。日本語の題名は同じ「スターリングラード」ですが、ハリウッド製の方は、原題名「Enemy at the Gates」ドイツ版はそのまま「Stalingrad」もっともロシア語では「Сталинград 」と書くそうですが、まあ読めませんね。
時代的背景については、当時破竹の勢いで東欧諸国を席巻していたナチスドイツが、次に目をつけたのが天然資源の豊富なロシア(当時のソ連)です。 それまで独ソ不可侵条約を結んで、油断させていましたが、突然条約を一方的に破棄してソ連領へ進入。東部の都市を次々攻略して、モスクワも陥落、次のターゲットとなったのは石油などの資源の中継地になっていたボルガ川畔の町スターリングラードです。一方ソ連は、まさに当時ソ連指導者のスターリンの名を持つこの地を、意地でも守り抜くべく総力戦へ突入。当初優位に進んできたナチスドイツ軍も、激しい反撃にあうことになりました。やがて戦いは長期戦となり、冬の到来と共に補給が滞りだした、ドイツ軍が不利となり、ついには敵地に孤立してしまいます。現場将官の撤退要請に対してヒットラーの返事は断固死守であったということです。
スターリングラード
そこでソ連側から描いている、ハリウッド版の映画ですが、そのへんの時代的背景、戦場の経緯などは全く触れずに、激戦の地、要衝の地という事だけ語られます、その後、独ソ双方の天才スナイパー同士の、息もつかせぬ攻防を中心に物語が進んで行きます。
そのあたりが映画的に緊張感を持たせて、成功しているように感じました。
ただし個人的にはスナイパーの働きだけで戦争が決してしまうわけじゃないのに、いかにも一人の英雄のおかげで勝ちました的な話になっていることに不満が残りました
スターリングラード(字幕スーパー版)こちらドイツ製作版ではSGに向かう下士官を中心に戦闘の様子、泥沼化していく戦場、司令官など上官の横暴、悲惨な兵士の現状、戦況を打開すべき無謀な作戦、など現場の状況を本物の様に描いていきます。戦友が死に、味方に裏切られ逃げ出したくても逃げ出せない、悲惨な現実をこれでもかと見せ付けていきます。これが本当に映画なのかと想いだしたときおわりをむかえます。
ハリウッド作とは対照的に重く現実味のある戦争映画でした、製作者に意図は戦争の悲惨さ、人間の醜さや強さ弱さを伝えたかったのかもしれませんが、興行的にはどうだったんでしょうか?今の日本ではDVDも無し、大型レンタル店ならビデオがおいてあるかもしれません。リンクを貼っておいて言うのもなんですが、アマゾンには在庫が無いようです、、、、。
自分は友人からDVDをかりて、なんとか字幕で見ました。ドイツ視点で見ると辛い事この上ない、しかし、真に迫った映画であることには間違いないでしょう。自分たちの戦争をここまで、自虐的なほど作りこめるドイツ映画人に脱帽して敬意を表したいと思います。
どちらが面白いかは見た人の感じ方しだいと思いますが、少しでも参考になれば幸いです。
主演のトーマスクレッチマンのファンの方からドイツ版DVDのジャケット写真をいただきましたので載せておきます
、クリックすると少し大きくなります。
提供はhttp://mondkaninchen.blog53.fc2.com/
ブログ管理人のJさんでした、スペシャルサンクス。
追記:ドイツ版のDVDが発売になります。
スターリングラード

内容紹介
第二次大戦中期、ヒトラー率いるドイツ軍の精鋭部隊26万人が送り込まれた街スターリングラード。
マイナス50度の極寒の中、寒さと上に苛まれる絶望的な戦いの末、
ドイツ軍、ロシア軍あわせ約100万人が死亡し、生還したドイツ軍はわずか6千人。
そんな人類史上最大の激戦地を舞台に、戦争の理不尽に翻弄される兵士たちの苦悩と苛酷な生き様を、
リアルな迫真映像で描出。
歴史の闇に葬られた真実を映す壮大な戦争スペクタクルと同時に、
戦争の悲劇や反戦を越えて観る者の魂を揺さぶる、20世紀最後の黙示録である。