以前予告編を見て雰囲気とテーマに惹かれる物があった、「麦の穂をゆらす風」を見てきました。カンヌ映画祭の最高賞パルムドールを受賞した作品だそうですが、カンヌ作品は好みと違う物が多いのであてにはしていない、とりあえず作りは良いと言う程度の捉え方で参考にしています。
原題:The Wind That Shakes The Barley
物語はアイルランド独立戦争に従事した青年を描く作品、同時代のテーマの映画としては独立戦争全体を描いた、マイケル・コリンズが思い浮かびます、アイルランド共和国軍の指導者のマイケル・コリンズを中心の話です。
今回はその共和国軍に身を投じたある青年と、その周辺のみで話が進行していきます。
あるアイルランドの田舎町で英国軍に反抗的な少年が、家族の前で暴行を受けて死んでしまう。医師としてロンドンに向かうはずだった秀才の青年は、英国軍を追放して、祖国独立を勝ち取る為に義勇軍に参加する決意をする。ある日義勇軍のメンバーが働いていた農場主に迫られて、アジトを密告、仲間のほとんどが逮捕されてしまう。
なんとか牢獄から逃れた彼らは裏切り者を抹殺するように命令される、農場主の抹殺は当然のことと受け入れる青年だが、密告者のメンバーは彼の幼馴染だった、義勇軍といえども上官の命令は絶対、大儀の前に同胞を殺せるのか。
この先はあえて書きません、歴史的に言えばアイルランドは自治権を認められる条約を締結、英国軍の撤退は叶うものの完全独立には至らず、その後内戦状態になります。
最近までIRAのテロのニュースがTVなどで流れていた記憶があります、9.11以降はあまり聞かなくなりましたが、全アイルランドの独立を目指す組織は今でも活動を続けています。
この映画は英国に虐げられた彼らの痛みや怒り、戦争よってもたらされた疵、理想の違いなどから仲間同士で殺しあうまでに至る過程が、兵士の内面ともども表現されています、悲しく重いテーマですが、心に響くものがありました。
現実の戦争がどういう結果を招いているか、まざまざと見せつけられた気がします。
現在のイラク情勢や、パレスチナ問題を見ても同じような図式が見られます、この映画が決して”昔の話”を描いているだけではない、という事も感じさせられました。
映画公式サイト↓
http://www.muginoho.jp/
麦の穂をゆらす風 プレミアム・エディション
DVDも発売