京極夏彦

2008年7月15日 (火)

京極 夏彦 「対談集 妖怪大談義」感想

対談集  妖怪大談義 (角川文庫 き 26-50 怪BOOKS)

いろんな雑誌で京極 夏彦氏と妖怪関連で対談した記事を集めた「対談集 妖怪大談義」が文庫で出てたので買ってきました。

対談の相手がまた豪華メンバーですね、
水木しげる、養老孟司、中沢新一、夢枕獏、アダム・カバット、宮部みゆき、山田野理夫、大塚英志、手塚眞、高田衛、保阪正康、唐沢なおき、小松和彦、西山克、荒俣宏、尾上菊之助。

京極氏の師匠水木しげる御大から、ありゃまたセンセイ、養老孟司さんなど学者まで、現代の妖怪の権威が勢ぞろいと言った感があります。

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2007年12月22日 (土)

「魍魎の匣(もうりょうのはこ)」映画感想

Mo5008_f1 京極夏彦の傑作「魍魎の匣」を原作とした映画を見てきました。
原作の感想はこちら

京極堂シリーズ2作目ですが、実相寺昭雄監督による1作目の映画姑獲鳥の夏は余りにも出来が悪かったので、悪い夢でも見てるようでしたが、今回監督も原田眞人氏に代わりまして、一応ファンとしては見ておくべきかと早々に行ってきました。

ストーリー「元映画女優の陽子から娘の捜索を依頼された探偵・榎木津。新興宗教と連続少女バラバラ殺人の謎を追う作家・関口と雑誌記者の敦子。彼らは敦子の兄で古書店“京極堂”を営む中禅寺のもとに集い、事件の真相を探っていく。」

http://mouryou.jp(公式サイト)

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2007年12月 5日 (水)

京極夏彦(他?)著「どすこい」感想

どすこい。 (集英社文庫) 京極夏彦氏とその他数名による、短編の連作「どすこい」を読みました。

いや、連作というのは多分冗談で、氏には珍しいギャグパロディー、
難しい漢字でこの語り口は可笑しい。

「四十七人の力士」新京極夏彦
「パラサイト・デブ」南極夏彦
「すべてがデブになる」N極改め月極夏彦
「土俵(リング)・でぶせん」京塚昌彦
「脂鬼」京極夏場所
「理油(意味不明)」京極夏彦
「ウロボロスの基礎代謝」両国踏四股

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2007年6月 5日 (火)

京極作品感想「百器徒然袋 風」

文庫になるのが待ちきれなくて、古本屋で買ってきてしまった「百器徒然袋 風」を読んだので感想など。

京極堂シリーズの究極のキャラクター、榎木津礼二郎を中心に展開する中篇集の第2弾です。

タイトルは3つ。

化け猫が婆さんに取って代わるという話をモチーフにした
「五徳猫 薔薇十字探偵の慨然」
招き猫の薀蓄話から広がっていく。

この世の物では無いものを映す鏡の妖怪がモチーフの
「雲外鏡 薔薇十字探偵の然疑」
魔境を使う霊感探偵が薔薇十字探偵に挑戦状を送ってくるという話。

お面が勝手に動き出す、という話がモチーフの
「面霊気 薔薇十字探偵の疑惑」
薔薇十字探偵社の従業員に窃盗容疑が掛かったり、年代不詳の謎の面が忽然と現れたりする。

語り部は、ある事件に関ったが為に榎木津探偵の下僕扱いを受けてしまった、平凡な電気工、本島氏です。
よせばいいのに榎木津探偵への依頼を勝手に受けてしまってから、色々な事件に巻き込まれてしまう。その様子を彼の視点という形で書かれています。

今回は、なんと薔薇十字探偵を貶めようとする集団が現れて、本島氏や益田氏が狙われて難儀な目にあいます、京極堂は出てきますが、対応が冷淡で何を考えているか中々明かしません。下僕たちが右往左往する話が滑稽で哀れですが、それが最後の探偵の活躍を引き立たせている構成です。

沼上君や今川氏も出てきて活躍。木場の旦那や鳥口、敦子さんなどは少しづつ出てきてアクセントになっているという程度、それでもそれぞれの存在感を発揮していて嬉しい限りです。

異能探偵が痛快に悪を懲らしめる、今回は特に求めて敵対してきた連中との対決で、面白い事になっています。

更に最後の最後で探偵らしからぬ意外な行動を取ったりして、驚いたけど何か嬉しくなってしまった。

百器徒然袋 風
百器徒然袋 風
評価はやっぱり★★★★★

前作の感想記事

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2007年5月22日 (火)

「巷説百物語 飛縁魔(こうせつひゃくものがたり ひのえんま)」ドラマ 感想

引き続き、京極夏彦原作「巷説百物語」(原作感想記事)を、ドラマ化した第2弾。「巷説百物語 飛縁魔(こうせつひゃくものがたり ひのえんま)」のDVDを借りてきて見ましたのでご報告。第1弾の記事はこちら

監督、堤幸彦。メインキャストの渡部篤郎、小池栄子、吹越満、大杉漣 はそのまま、続編という事でキャラ設定の説明は無し。前作見てから(又は原作読んでから)の観賞をお薦めします。

丙午の女は男を取り殺すという迷信の元となった妖怪「飛縁魔(ひのえんま)」が町のアチコチで放火を繰り返している、一方で行き倒れの女性を花嫁に迎えながら、姿をくらまされ、心痛のあまり衰弱していく大店の主。その女性を探すように依頼された又市と百介が妖怪退治を仕掛けるが、、。

今回は又市たちを付回す貧乏同心(原作には無いキャラ)の恋も絡ませて、堤演出が爆発する。
今回は爆発というより暴走気味、小ネタ、ゆるギャグが大幅に出てきて、話がお笑いに傾き過ぎな印象でした。トリック風味がアップした感じ。
特に事触れの治平は弄られ過ぎだよな、変なキャラにさせられちゃってる。ちょっと違います、堤さん遊び過ぎ。

最後のまとめ方も原作と離れてしまって、全体的には前作より評価低めになってしまいました。

巷説百物語 飛縁魔
巷説百物語 飛縁魔
評価★★★
パッケージは渋くて、雰囲気も原作通りで善いんだけどねぇ、、、

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2007年5月21日 (月)

「巷説百物語 狐者異(こうせつひゃくものがたり こわい)」ドラマ 感想

京極夏彦原作「巷説百物語」(原作感想記事)を、角川書店とWOWOWが組んでドラマ化した作品が、DVDで出ていましたので借りてきて見ました。

最初の「巷説~」からの1編「狐者異」を抜き出して2時間ほどのドラマに仕立てた作品です。原作では百介が出会った後の話ですが、ドラマ初回とあって、百介との出会いから各キャラの設定まで紹介しつつ物語が進行しています。まあこれはしょうがないですかね。お話は何度首を切られても復活する悪党を化け物「狐者異」の仕業として退散させる。
化け物の正体とあっと驚く調伏の仕掛けを楽しむ作品です。

監督は「トリック」(劇場版2の観想記事)シリーズの堤幸彦。御行の又市に渡部篤郎、山猫廻しのお銀に小池栄子、百介先生に吹越満、事触れの治平に大杉漣 等個性的なキャストは原作のイメージに近い物がありました。特に又市は映画「嗤う伊右衛門」(観想記事)の香川照之よりも原作のイメージに近かったです。
良くも悪くも堤演出なので、相変わらずのゆるいネタ使い、原作の本筋を変えていないので、その辺は好みの問題で自分には許せる範囲でした。

次の作品「飛縁魔」も出ているので早めに借りてきて見ます。見ました!記事

巷説百物語 狐者異
巷説百物語 狐者異
評価★★★★

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2007年5月15日 (火)

京極夏彦 著「後巷説百物語(のちのこうせつひゃくものがたり)」読書 レビュー

京極夏彦氏の妖怪時代劇シリーズ 「後巷説百物語(のちのこうせつひゃくものがたり)」が文庫で出ていたので、早速買って来て読んだ感想です。

以前、京極作品の感想で書いた、「巷説百物語」シリーズの続編です。(記事はこちら)タイトルに”のちの”と有る様に時代背景は明治時代、維新後10年前後という設定です。

明治初期の混乱期、文明開化が定着しつつある頃に、奇妙な事件を捜査している巡査(元同心)が癖のある仲間と談義して、収集が付かなくなって物知りのご隠居”一白翁”(実は山岡百介)を尋ねて事件解決の助言を貰う、そんな流れの短編集(例によって短編と言うには長すぎる)です。助言の中で昔話的に、御行の又市が出てきて鮮やかに妖怪を作り上げ、決め台詞の「御行奉為」も健在でした。

タイトルは
「赤えいの魚(あかえいのうお)」
「天火(てんか)」
「手負蛇(ておいへび)」
「山男(やまおとこ)」
「五位の光(ごいのひかり)」
「風の神(かぜのかみ)」
の6編。

ご隠居が出て来るまでは、ちょっと回りくどいですが、読み進むうちに明治の4人組みキャラにも好感が持てるようになってきます。百介の世話をしている謎の女性も少しづつ正体が明かされて、最後はしんみりと余韻に浸れます。
また、「五位の光」辺りから、由良卿や姑獲鳥といった京極堂シリーズに出てくる名前も現れてファンは思わずにやりとすることでしょう。
好きなシリーズを上手く繋げた良い作品でした。巷説シリーズは前日譚も書かれているのでこちらも楽しみに待ちたいと思います。

後巷説百物語
後巷説百物語
評価★★★★★

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2007年2月15日 (木)

「嗤う伊右衛門」京極作品、読書(&DVD)感想

残り少ない、未読京極作品「嗤う伊右衛門(わらういえもん)」四谷怪談の「お岩さん」のエピソードを例によって京極風味付けで読ませる。題名も「お岩」ではなくて「お岩」の旦那の「伊右衛門(いえもん)」を前面に出しています。

伊右衛門はいつも顰め面をしている貧乏浪人、腕は立つが差料は竹光。一方家名だけは古いが地位は低い武家の娘で、病気の所為で半分顔がただれてしまったお岩、つまらないプライドと意地を捨てきれない2人は、御行の又市(出てくる思ってなかったので嬉しい再登場の百物語主人公)の仲介で夫婦となる、しかし、欲深い上役と取り巻きに翻弄され、穏やかな生活をおくる事も出来ない。

嗤う伊右衛門
嗤う伊右衛門
★★★★★

ただの怪談話では終わらせない巧みな語り口で、江戸時代の武士、町人の暮らしの矛盾、不条理を見据えながら、心根の清い人達の切ない愛の物語を紡いでいった作品です。

映画化もされているので本が苦手な人はこちらが良いでしょう。
嗤う伊右衛門
嗤う伊右衛門
★★★★★

この映画が素晴らしい、原作の魅力を損なうことなく、忠実に、更に切なく映像化してあります、ただれていながらもその美しさを失わないお岩様はお見事、御行の又市については少し違和感がありましたが、自分の思い入れが強すぎた所為かもしれません、その他キャストはほぼ完璧で、雰囲気も申し分ありません。
出色の出来はお岩さんの「うらめしや」の台詞、いまだかつてこれ程切なく美しくいとおしい「うらめしや」が有ったでしょうか?いや有りません。

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2006年11月 7日 (火)

京極作品感想(6)「巷説百物語」「続巷説百物語」

京極作品紹介、とりあえず今回で終わりです、これで読んだ物は全て紹介なので、後は順次読んだ物を紹介する予定です。

京極堂シリーズから離れて、江戸時代の-やはり妖怪絡みで事件を解決、というか闇から闇へ片付けていく謎の集団を、江戸の(自称)戯作者、山岡百介の視点から描く作品。

御行(修行中の僧、行者、僧形の物乞い)姿の又市、山猫回し=傀儡師=(多分人形使い)の美女など、一癖も二癖もある怪しい一味が、幕府の法度で裁けない難事件を妖怪の力を借りて葬っていく。     この連中がまた実に陰謀家らしくて、それだけでもうれしくなってくる訳です、まあ自分としては。

7つの短編集という体裁ですが、続きもののドラマを読むような感じ。

巷説百物語

こちらは続きの6篇からなる作品、ただし一つの事件の長さ(厚さ)はこちらの方が長くなってます。

”続”の方が仕掛けもより巧妙になり、(次第に大掛かりになって行く)話も面白く、最後の大団円に繫がって行きます。      自分としてもこちらのほうが好みだな、なんて思っていたら、こちらが直木賞受賞作だったらしい、納得。

続巷説百物語

りん。  

「御行したてまつる」

読後しばらく、御行の奏でる鈴の音が、聞こえてもいないはずなのに、妙に耳に残ってる気がしてしまう、それ程はまってしまった作品。

この「続巷説~」が京極氏の最高傑作じゃないかと思うようになってきました。

京極堂シリーズしか読んでいないという方はこちらも是非ご覧ください、お勧めです。

ドラマ感想1「狐者異」

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2006年11月 6日 (月)

京極作品感想(5)「百鬼夜行 陰」「今昔続百鬼 雲」「百器徒然袋―雨」

かなり間が空いてしまいましたが、しばらくぶりに京極作品を紹介します。    京極堂シリーズの外伝的作品、短編集ということですが、彼の作品なの短編といっても他の作家の書く中篇位の長さになってます

百鬼夜行 陰

まずは、主グループ以外の脇役をテーマにした作品、やはりそれぞれ妖怪になぞらえてエピソードを紹介する10編。  出てくる人物が脇なので、地味な感じ。話の盛り上がりもあまり無く、シリーズ全編を読んで次が待ちきれないという人や、京極関連全制覇しようとする人などにしか薦められない。評価は低め。この作品から京極夏彦を読み始めないようにご注意を、そんな人はいないと思うけど、念のため。

文庫版 今昔続百鬼 雲 〈多々良先生行状記〉

こちらは妖怪研究家、多々良センセイを主役としたシリーズ。彼の妖怪研究仲間、沼上君が各地の神社仏閣、伝説異聞を求めて彷徨い歩く、行く先々で問題を起こし事件に巻き込まれる。当然妖怪絡みである。キーワードは「あなた妖怪は好きですか?」そう聞かれたら迷わず「大好きです!」と言ってしまうだろう人々が読むに相応しい短編集。しつこいようだが1編が100ページ以上も有るのだからそれぞれ1冊の本が出来そうな長さの作品4編。最後の作品には古本屋と解剖医も出てくるのでお楽しみに。

ところでこのセンセイのモデルは水木デンセイに違いなく、お供の仲間は作者自身ではないかと確信している自分。たしか姑獲鳥映画では水木センセイが多々良センセイ役で出ていたと思う。

文庫版 百器徒然袋―雨

さて続いては、シリーズの人気キャラクター異能探偵、榎木津礼二郎の活躍する「百器徒然袋」シリーズの主メンバーがほぼ全部登場して、最後に事件を落ち着かせるのは結局京極堂なのだが、とにかく探偵榎さんが大暴れする。読んでるほうも楽しくてスカッと爽快である。 シリーズ未読、京極作品未読でも、この作品から入っても大丈夫、むしろ入門編としてお勧めしてもいいと思うくらいだ。

この続きの「百器徒然袋 風」も新書で出ているが自分は文庫待ち、未読なので読み次第紹介します。

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2006年10月26日 (木)

京極作品感想(4) 「絡新婦の理」「塗仏の宴 」

ちょっと疲れて(飽きて?)きたけど、続けていきましょう。5作目「絡新婦の理」(じょろうぐものことわり) 内容は、ええと難しいなこれ、いろんな事件が起きます、目潰し魔による連続殺人事件、キリスト教系の女学校で起きた女学生殺人事件、黒いマリア像の呪い、別々のように見える複数の事件が、蜘蛛の糸に複雑に絡めとられる。

今までの作風とはちょっと違った始まり方をします、いきなり京極堂と真犯人?の会話から始まるのです。  「あなたが-----蜘蛛だったのですね」   数々の事件は蜘蛛と呼ばれる人物が糸を引いていたと、作者自らいきなりネタバレしてしまうのです。問題は蜘蛛とは誰か?どうゆう方法で?ということですが、つまり陰謀です、陰謀のフィクサーとテクニックを推理しろという話です、まあこうゆう話は大好きです、ただ核心までが長いです、辿り着くまで結構大変です、辿り着ければ面白い。 今回の薀蓄はキリスト教、ユダヤも絡む、占星術とかその辺まで?がりますので好きな人には堪らないでしょう。ミッションスクールに通っているMさんに是非読んで欲しい作品です。

分冊文庫版 絡新婦の理〈1〉

引き続き6作目「塗仏の宴 」(ぬりぼとけのうたげ)の前編「宴の支度」(うたげのしたく)後編は「宴の始末」(うたげのしまつ)  あの分厚い本が前後編2部ですよ、出てくる石燕の絵も七つです、話はいろいろなパートに分かれていて説明しにくいですが、何者かによる陰謀のオンパレードです、心理戦、騙し合いの博覧会みたいな物です、大掛かりです、敵もかなりの大物です、関口は罠に嵌められて、殺人犯として逮捕されます、当然壊れます、これをどう収集させるのか、京極堂はしぶります、けど出てこざるを得ません、もちろん。もうここまでシリーズを読んで来た人には長さは苦にはならないでしょうから、思う存分陰謀を楽しんで下さい、という感じです。結末もちゃんと落ちます、すっきり感は人それぞれでしょうか?

とりあえず京極堂シリーズは完了、一旦休んで、外伝的なものと、御行シリーズの感想をを後ほど書こうと思います。  ああ疲れた、、、、

分冊文庫版 塗仏の宴 宴の支度 (上)

分冊文庫版 塗仏の宴 宴の始末(上)

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2006年10月25日 (水)

京極作品感想(3)「狂骨の夢」「鉄鼠の檻」

3作目は「狂骨の夢」(きょうこつのゆめ) 内容は、夫を4度殺したと言う女と、その話を夢うつつで聞いている伊佐間という男、海に漂う金色の髑髏を見たという噂、集団自殺事件。例によって巻き込まれる関口、木場、そして京極堂。

この辺りは、どうもあんまり印象が無いというか薄い、新キャラの伊佐間とか降旗とか白丘辺りもどうも影が薄い、関口寄りのキャラが増えただけの印象です、話はやたらと色っぽいとか性的だったとかの印象が強い、多分トリックというか、仕掛けが読めちゃったのもいけなかったかもしれない、面白く無いということもないけど、シリーズ中では一番自分向きじゃなかったと言う事で、全部読もうという人は読んで見るといい、としか言えない。

分冊文庫版 狂骨の夢 上

そこで4作目の「鉄鼠の檻」(てっそのおり) これは自分の中ではかなり好みの作品、「匣」の次位に面白かった。

箱根に湯治に来ていた関口は、座禅姿のまま殺されている僧を目の当たりにする、何故か呼ばれたのは榎木津探偵。山中には誰も知らない禅宗の修行寺がある事がわかった、そのなかで次々と殺されていく修行僧達。十数年前と同じ振袖姿の少女。古書を求めて離れ離れの京極堂は合流できるのか?といった内容。

何より舞台設定が良い。真冬、雪中の箱根、人里離れた山中に忽然と現れる大伽藍、禅宗の修行の様子や、仏教に関する薀蓄もなかなか楽しかった。そんな雰囲気が好きな人にお薦めする一編です、ってそんな人がどのくらいいるのかは知らないけど。

分冊文庫版 鉄鼠の檻〈1〉

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2006年10月24日 (火)

京極作品感想(2) 「魍魎の匣」

引き続きまして京極堂第2弾「魍魎の匣」(もうりょうのはこ)   いまだシリーズ最高傑作の称号は譲られていないと思う。

有名女優の娘が謎の列車事故の巻き込まれ、瀕死の重傷を負う。だが、運び込まれたのは病院ではなく真っ黒で四角い「匣」のような研究施設、その実態も研究内容も全く不明だ、刑事の木場が存在を嗅ぎ付け、向かったその建物で衆人監視の中少女の体が忽然と消えてしまう、その後発生する凄惨な少女バラバラ殺人事件、「匣」との関連は、犯人を突き止められるのか、誘拐された(かどうかも判らない)少女を救う事は出来るのか?

と、こんな内容の紹介ですだんだん出版社の広報の様な気分になってきた、評価は最大の「秀」、で是のおかげで京極ファンになった作品。まあ、トリックはほぼ反則みたいな物だけど、何故か自分は気づいてしまった、それでも作品の魅力が減じる事はありませんでした、特に作中作の「箱の中の少女」は是非完結版で読みたかったと思わせる出来栄えでした。

京極作品を読んでなくて、何か試しに読んで見てから決めようかと思ってる人は、これか、巷説百物語をお薦めします。この世界を堪能するには最適じゃないかと思う。

分冊文庫版 魍魎の匣〈上〉

この作品の映画を見てみたかったが、 「姑獲鳥 」の出来では、同じ監督スタッフでは御免こうむりたい、何とかならんもんかしら。

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2006年10月23日 (月)

京極作品感想(1)「姑獲鳥の夏」

以前お話したままほったらかしだった、京極夏彦作品に付いて語ろうと思います。まずは彼のデビュー作で、異色の名探偵京極堂こと中善寺夏彦のデビュー作でもあります、「姑獲鳥の夏」から、(画像の紹介は全て分冊文庫版 「上」か「1」だけです、他の分は「続き」に置いておきます)

読み方は「うぶめのなつ」字と読みが違和感が有る事は読んでいるうちに何となく解消します内容はと言うと、或る由緒或る病院で20ヶ月の間身篭りながら子供が生まれない、夫は失踪中らしい、病院には呪いがかかってるらしい、という噂が流れている、噂を聞きつけた売れない小説家関口巽は知人の古本屋に話し掛ける、しかもその夫は彼の学校の先輩だった、なくした記憶と闘いながら、止めておけば良いのに首を突っ込む関口と関わりたくないのに、なんとなくかりだされる京極堂、はたして憑き物は落ちるのか?とまあそんな感じ。

実の所、自分が最初に読んだ京極作品は、当時ネット上で最も評価の高かった「魍魎の匣」でした、気になってはいたものの、あの厚さでは評判を見ないで買う勇気が無く、最も良さそうな物を試しに読んでみて、自分に合うかどうかと考えたのも無理からぬものでしょう「匣」の話は後でする事にして(まあ良かったから読み続けているわけですが)

とにもかくにもこの作品で、古本屋の主にして、神主、陰陽師にして憑き物落としの京極堂、推理しないで真相を突き止めてしまうという、異能の探偵、榎木津礼二郎、強面だが、実は繊細な心の持ち主の警視庁のはみ出し刑事、木場修、鬱患いの売れない小説家、関口巽、と個性的過ぎるキャラクターの初登場場面が読めるのですまた、合わない人には絶対合わない、好きな人はどっぷり嵌まってしまう、独特の雰囲気が世に出た記念すべき作品です、合うか合わないかは自分で読んで見るしか判らないので、ご注意を、ミステリー的には、たいしたトリックが有る訳でもなく、意外な犯人に驚くわけでもありませんが、その展開の見事さと、怪しい雰囲気と、これでもかと突きつけられる薀蓄に、いつのまにかのめり込まされていくといった作品です。

分冊文庫版 姑獲鳥の夏 上

さて、実はこの作品、最近映画化されたのですが、表に出せるような感想は書けないので「続き」に隠して置いておきます↓

姑獲鳥の夏 プレミアム・エディション
姑獲鳥の夏 プレミアム・エディション

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2006年10月19日 (木)

陰摩羅鬼の瑕(おんもらきのきず)京極夏彦著

久しぶりに読んだ京極夏彦作品、京極堂がメインの本筋のシリーズ、塗仏以来の文庫版、今回は3巻の分巻で買ってきた、持ち運びにはちょうど良い厚さ。

今回のタイトル妖怪は「陰摩羅鬼(おんもらき)」新しい死体の気が変化した、鶴のような形の妖怪。

旧華族の伯爵家へ、嫁いだ花嫁が婚礼の日に殺されてしまう、呪われた「鳥の城」。     5人目の婚礼当日に招かれたのは、何故か(通常の)視力を失ってしまった榎木津探偵、その付き添いとして、全く役に立たない関口、果たして第五の殺人は阻止できるのか?    といった内容ですが、序盤の関口絡みの話は相変わらず、前に進まないでちょっと飽きてくるが、作中作の関口作品「獨弔」はなかなか良かった、見直したぜ巽。

京極堂の出番が遅いのはいつものことですが、今回榎さんの暴れ方が少ないのと、木場修が現場に絡んで無いのが不満。       読んでいる途中で、犯人や、展開が読めてしまったのと、世界観の不気味さが今一つ。今まで出てきた妖怪の出自や、儒教や儒学者、ハイデッガー等についての薀蓄話は冴えていた。

是を機に、京極作品の感想も古いものから書いてみようと思ってます。

分冊文庫版 陰摩羅鬼の瑕(上)

分冊文庫版 陰摩羅鬼の瑕(中)

分冊文庫版 陰摩羅鬼の瑕(下)

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